こんにちは。応用1コース事務局日曜クラス助手の片山です。
7月7日に第4回の講習会が積聚会事務局で行われました。
まずは講義です。問診についてさらに深く学んでいきました。
問診を行ううえで重要になるのが症状を時系列に整理して聞くことです。
時間を整理するには社会歴が大事になるとのことでした。社会歴(住居環境、仕事、職場環境、家庭環境、趣味など)を通じていつから症状が見られるのかが分かることがあります。
また、生まれた時の状態、出生児の記録も精気の虚の原因を知るうえで重要になります。帝王切開、鉗子分娩なども精気の虚と関係が深いと考えます。
患者さんにも精気の虚の原因を考えてもらえるような問診をしていけると良いとのことでした。
前回の続きで不内外因についての説明がありました。今回は労働・咬傷・毒についてです。
労働(仕事)の問題はストレスのことで内因に帰着します。労働で問題になるのが質と量です。
どんな仕事をしていてもストレスが無いわけではないが、それが精気の虚に影響を及ぼしているのか見極めが必要です。
咬傷・毒は動物などの咬み傷、虫・爬虫類などの毒・金属アレルギーや化学物質などがある。
咬傷・毒に関しては補助治療として外傷への処置が必要になる場合があります。補助治療としては刺絡または灸を行います。灸の場合は陰面なら知熱灸・陽面なら点灸をします。蜂・蚊は痕が残らないような小さい糸状灸をすることもあるとのことでした。
感染症(インフルエンザ、結核、性病、エイズなど)も精気の虚が著しいと発病する可能性があります。なのでインフルエンザなどの背景にも精気の虚が存在するのです。またインフルエンザのワクチンは微弱なウイルスを入れているので、打ったことが精気の虚が起こる可能性もあります。
根本的に治療をしていくには、何らかの原因により精気の虚が起きると症状が出やすいということを患者さんに気づいてもらう必要があります。そのことを問診や治療を通じて教育していきます。そうすると患者自身でもひどくなる前に気がつくことができ、予防できるようになるとのことでした。
外傷・事故(外科手術、交通事故、打撲)は組織の損傷修復には膨大な気力の消耗を強いられる結果、別の症状を生むことになります。
外傷を受け鞭打ちを起こしている場合や首に影響が及んでいる場合は補助治療として首に刺絡を行います。
首に影響が及んでいない場合で外傷を受けた箇所が陽面ならば打った場所に刺絡をします。外傷を受けた箇所が陰面の場合や新しい手術痕に関しては知熱灸、を行います。歴史がある手術痕は透熱灸・知熱灸も含め補助治療を選択していくとのことでした。
さらに歯の状態の診方です。
歯の状態は体力と関係するとのことです。
問診では歯科通院の有無、虫歯、差し歯、歯槽膿漏、矯正、顎関節症などを確認する。
体が疲れれば歯(歯茎)が痛むという歯痛の背景には精気の虚があります。その場合は皮膚の上から痛い部位・方向を触知し、刺入していきます。鍼響を感じたり、刺鍼に抵抗感を感じたりすることが多いそうです。
抜歯は外傷の一種なので抜歯後には精気の虚が強く起こるし、歯列矯正は全身に影響が出ます。その症状は実症状として出やすいです。歯列矯正・顎関節症がある場合は後下関の反応を確認していくとのことです。
太子堂鍼灸院では初診の患者さんに初診者カードを記入してもらっています。これには名前・住所などの基本的な情報に加え、聞き辛い情報などを記入してもらいます。初診カルテ・再診カルテは術者が記入しますが、初診者カードは患者が書くことで筆跡からも精気の虚の状態を診ることもできます。
実技では今回も基本治療に加え補助治療として知熱灸を治療時間30分の中で行いました。
受講生のみなさんは大分知熱灸も慣れ、手際が良くなっているようでした。
問診に関しては情報量が多いですが、精気の虚の原因を突き止める重要な情報になるので一つ一つ整理し、しっかりと理解してもらえたら良いかと思います。
次回いよいよ初診カルテのおもて面の説明が行われるとのことでした。次回の講習会の終了後には暑気払いが行われます。楽しみですね。
次回の講習会は7/28(日)です。
応用1コース事務局日曜クラス助手 片山