2023年度 基礎Ⅰ日曜コース追加クラス 第2回

6月4日(日)基礎1コース日曜追加クラス 第2回目の講習会が行なわれました。

2回目の講義からはいよいよ基本治療の手順を学びはじめます。

まず、基本治療の手順を学ぶにあたり、積聚治療はどのような発想に基づいた鍼灸治療法であるのか、積聚治療では人体をどのようにみているかについての説明がありました。

・積聚治療は「東洋的な発想に基づいた鍼灸治療法」であること。

・「東洋的な発想に基づいた」ということは「気の概念を基盤に置いた」ということ。

・目に見えない「気」に基づく治療法ではなく、「気の概念」に基づく治療法ということ。

気の概念に基づくとはどういうことかと言うと、人が認識できる目に見えるもの、目に見えないものも含めて全部この世のすべてのものは「気」からできているとする考え方であると説明されていました。

気という概念に基づいて人のからだをみていくと、解剖学的に表現される皮膚や筋肉、骨も「皮膚のように柔らかい気」「骨のように硬い気」などのように表現ができるようになります。皮膚や筋肉、骨は「見える気」であり、それらを支えている「見えない気」を「生命力」と表現することを学びました。

また、人のからだは固体・液体・気体などの密度によって分類することもでき、皮毛-血脈-肌肉-筋-骨を皮膚表面から骨に至るまで「浅い・深い」「動きやすい・動きにくい」などと表現することができ、人体を陽的なものから陰的なものとして気の多重層的構造として捉えることができると説明がありました。

私が初めて基礎Ⅰコースを受講したときは鍼灸学校の学生だったため、東洋医学概論の授業で学ぶ「生理物質としての気」と混同したりとても難しく感じました。高橋先生も講義内で仰っていましたが、何年もかけて積聚治療を続け、易の講習会で学んでいくことでようやく分かってくる内容なので、今回の講習会で理解できなくても心配はいりません。

 

次に、積聚治療の手順である「指標の確認」について学びました。

「指標」とは病の病態である生命力の低下の存在と程度を示す反応点であり、その生命力の低下がどのくらいの程度なのか、どのくらい回復しているかということを把握する診断点かつ場合によっては治療点となる時もあります。

指標と呼ばれる場所は「痛みと硬さ」で把握でき、硬くないところが硬ければ生命力の低下を示し、痛くないところが痛ければ生命力の低下を示します。

今回の講義では腹部接触鍼の時に確認する基本的な指標である

大腿骨内側上顆曲泉膝関陰稜泉の4つを学びました。

まずは高橋先生が指標の触り方のデモを行い、その後お互いに指標の確認を行いました。

受講生が一度指標に印をつけ、高橋先生が確認をして、その後先生が確認した指標をもう一度触り、指標の照らし合わせをしました。

指標の触り方のポイントとして

指標として用いられるツボは点ではなく500円玉もしくはそれよりも大きい位の範囲を示す特徴があること

指標の痛みを確認する時に何でもかんでも押して痛がってしまうと強さが分からないので、左右同じ強さで押して比較すること。

痛みが出る時の圧と感触を手で覚えていくと、徐々に[あたり」がつけられるようになってくること。

「同じ場所を」「どっちの手のどこで」「どの角度で」「どの方向に押すか」、毎回同じにして指標を確認すること

膝まわりの指標を確認する時は基本的には足の中心に向かった方向に押すこと

と高橋先生は仰っていました。

人, 屋内, 座る, 窓 が含まれている画像 自動的に生成された説明

(膝周りの指標の確認をして、高橋先生が確認しているところ)

その後、一度休憩を挟み、後半は腹部接触鍼についてスライドで説明がありました。

範囲、押し手の構え方、鍼先と押し手の示指と母指の3点が同時に皮膚に着くタイミング、相手に痛みを感じさせないようになど、大切なポイントについて細かく説明をされていました。

続いて高橋先生による腹部接触鍼のデモが行われ、先ほどスライドにて説明があったポイントを一つ一つ丁寧に実演されていました。

その後、前半で学んだ膝周りの指標の痛みや硬さの確認をし、腹部接触鍼を行い、

腹部接触鍼を行う前と後で指標がどのように変化しているか確認を行いました。

 人, 屋内, 子供, 座る が含まれている画像 自動的に生成された説明

(受講生同士での腹部接触鍼の練習の様子)

(高橋先生と受講生の接触鍼の受けた感じの違いを体験している様子)

一度お互いに腹部接触鍼を行った後、もう一度高橋先生はデモを行い

腹部接触鍼を行う前にお腹の表面を押し手で軽く撫でることで腹部表面の反応を確認し、腹部接触鍼後に腹部表面の反応の変化を確認することも説明されていました。

練習の風景では指標の変化に驚く受講生や、初めて学ぶ腹部接触鍼の難しさを感じている受講生が見受けられました。

私は積聚治療を学び7年目になりますが、基礎1クラスを改めて受講してみると指標の触り方や接触鍼を行う上でのポイントが全く押さえられていない事をとても痛感しました。恥ずかしいですが、今回の講習会で学べたこと、気がつけたことを臨床の場で活かせるように練習していきたいと思います。

今回の講習会内容は以上になります。

また受講生から積聚治療のDVDの購入について質問がありましたので、

積聚会HPにあります商品販売のURLを載せておきますので是非チェックしてみてください。

https://shakuju.com/sale

次回の講習会は7月2日(日)、脈診と脈調整について学んでいきます。

暑い日やジメジメした気候が続きますが、体調を整えて万全の状態で講習会に参加しましょう!