2023年度 基礎1コース 日曜日クラス 第9回

2023年12月3日に基礎1コース日曜日クラスの第9回の講習会が行われました。

今回の講義の冒頭では、今までの確認内容をするために、あらためて主訴について高橋先生からお話がありました。

一般的に鍼灸治療では、腰下肢痛の患者だったら腎兪や環跳に、肩こりならば肩井や天柱、風池に鍼をしたりして、その主訴に対して治療することが多いが、積聚治療では、腰下肢痛でも、肩こりでも基本治療を行うということ。これは、積聚治療では主訴や症状は生命力の低下の表れと考え、主訴や症状を起こしている生命力の低下を治療していくということが積聚治療の方針であるとあらためて説明されました。

そして、この積聚治療行う上では、治療前に先ずは主訴を確認し、生命力の低下によって身体に現れた主訴や症状、そして指標を基本治療の手順を踏むごとに、これらがどう変化していくかを術者が患者とともに確認する作業がとても重要であると説明されました。

また、治療では主訴や症状に振り回されることなく、それらはあくまでも生命力の低下によるものであると認識して、手順を踏むことが重要であると述べられました。

さらに、このように生命力を介して主訴や症状を治すということは、易の一元的思想に基づくものであり、この考え方を以てすれば、他の鍼灸治療法で行われる主訴や症状に対して治療するということは、その治療の結果で生命力が回復したと理解ができるし、そう考えればその治療法を否定することはないと述べられました。

このような一元的な考え方は易の考え方からくるもので、私も理解するまでは相当な時間を要しました。ですが、何度も治療を行い、身体に現れた指標や症状が基本治療の過程で変化してきたと感じた時の不思議さに、これが生命力の回復の結果だと気づくことで、この考え方を少しずつ理解できるようになってきたと感じます。

この後に、背部治療の際の取穴方法の復習が行われました。

高橋先生から実際にデモで、背部の2行線の取り方、積聚治療で区分される5つのエリアにおいて、それぞれの取穴方法のポイントが丁寧に説明されました。

その後、受講生が実際に高橋先生の取穴したモデル患者の背部に触れ、取穴方法などのフィードバックを受けました。

講義の後は実際に受講生同士で基本治療の練習が行われました。

この際に、初めて積聚治療の基礎1コースを受講した参加者のグループは、高橋先生が時間を測り、先生の合図とともに、基本治療の段階を進めていきました。今回は31分で基本治療の段階を終えるような時間の設定でしたが、今後学ぶ手足の要穴や、腹部のツボを使った治療を含めて45分で終了できるように練習してほしいと述べられていました。

今回の実技練習では、初めて積聚治療を学ぶ受講生たちのほとんどの方は、テキストや資料を見ることなく手順を進められていました。

今回の講義の最後には、基本治療後に必要に応じて行う手足の要穴や、腹部のツボを使った治療手順について説明がありました。この治療手順は背部治療が終わった後に、さらに積が残るなど、生命力の回復が十分でない状態の時に用いる手順で、次回の講習会ではこの手順も紹介して加えていくと説明がありました。

次回はいよいよ最終回です。

講習会が終了してしまうとなかなか質問できる機会も少なくなってしまいますので、年末やお正月の期間を利用して、たくさん練習してください。