積聚会の髙橋大希です。これから毎回応用2クラスの様子を報告させて頂きます。
積聚会会員の皆様がご存じのとおり、応用2クラスは会長が講師を務められる年間講習会最終クラスとなります。内容は補助治療(外傷治療)となりますが、まずは積聚治療講習会の内容と位置付けを確認しながら、初回クラスの内容を振り返りましょう。
積聚治療では病の原因を「精気の虚」と位置付けております。言葉の意味としては、「生命力の低下」でもよいです。積聚治療は積聚治療の名前にもなっている腹部の異状を示す積聚(痛み、固さ、拍動)を把握し、背中にある足の太陽膀胱経2行線上のツボを使用して低下した生命力を回復させます。この治療過程を「基本治療」と呼び、基礎1クラスで学びます。
患者さんの治療をしていると、基本治療だけで生命力を回復させるのが難しい時に遭遇します。この時、基本治療で回復できなかった分の生命力を回復させる手段が「補助治療」です。この「補助治療」を学ぶのが基礎2クラス。
積聚治療=基本治療+補助治療、を理解して臨床を行っていると、あるとき次のような疑問にぶつかるはずです。それは、なぜこの患者さんの生命力は低下したのだろうか、という疑問です。そこで、人の体の仕組み、生命力低下の理由を探っていく為の理論と、その理論に従った高度な補助治療の使用法を学ぶのが応用1クラス。
初診の段階で患者さんの生命力の低下の理由を問診と指標の状態から見つけ出し、その原因が外傷であることが突き止められるようになったとき、はじめて応用2クラスで習う補助治療の最高テクニックである外傷治療が必要になるのです。
この外傷治療は、外傷部分へ特殊な鍼法と吸角を用いる補助治療で、外傷が原因で回復できなかった生命力の低下を補助的に回復させる劇的な手段となります。しかし、この鍼法は先の応用1の内容で触れたように、生命力の低下の理由を探れること、その為の東洋的な視点から見た人体の仕組みを理解していることが重要となります。例えば、切れ味の素晴らしい名人の作った包丁を使ったからといって料理の腕が急にあがることはありません。その包丁を使うに見合った知識と技術を身に着けていることが重要です。そして、包丁は使わないと意味がない。道具として使われなければ、包丁にも失礼ですし、包丁を作った名人にも失礼です。補助治療も同じです。
応用2クラスの受講生はもちろん、今後の受講を考えている応用1クラスの受講生は『10巻』『赤本』『続』『一口メモ』を熟読して下さい。そして、応用2クラスの受講生は吸角の練習をして来てください。今年度の応用2クラスは昨年度の内容を踏まえ、前期後期の2部制になりました。前期の最後には実技試験があります。試験に合格した人だけが後期を受講できます。試験管としては厳しく評価させて頂きますので、どうぞよろしくお願いします。
応用2クラス助手 髙橋大希